渡辺隆正さん対談 ~目の輝く子供たちを増やして今治を元気に!~

  • スタッフ
  • 2018.03.22

こんにちは。中央体育館担当の石本です。
前回の藤田さんからの質問でこれから挑戦したいこととありましたが、30代では、結婚、育児も経験しながら、サッカーを学び、恩返しということで、指導者資格を取りに行ったり、国体もあったので、審判資格を取りに行ったりとしました。今後も引き続き、地域、全国、世界問わず多くのことを学び、地域の発展と子供たちの未来の為に尽力したいと思います。そして、多くのすばらしい指導者の方からも学びたいとも思っております。もちろん家族との時間も大切にしながらということは言うまでもありませんね(笑)

今回は、FC今治トップチームコーチの渡辺隆正さんに話を伺える貴重な機会をいただきました。
ぜひ、みなさまにその想いを知っていただき、参考にしていただければと思います。

ずっと岡田さんと仕事がしたいと思っていたことが人と人を繋げてくれた。
(石本)今日は貴重な時間をありがとうございます。まず、はじめに今治に来たきっかけからお伺いしていいですか?
(渡辺)きっかけは、浦和にいたときから岡田さんと仕事をしたいとずっと思ってまして、浦和で一緒に指導していた池田誠剛さんに、岡田さんから勉強した方がいいぞとずっと言われてました。当時、一緒に指導をしていた工藤直人コーチが今治に戻って指導をしていて、たまに連絡を取り合っていた時に、岡田さんが今治のオーナーになるという話を聞いて、最初は冗談で浦和に自分のようなコーチがいるから名前を出しておいてと伝えたんです。そしたら、興味を持ってくれて、そこからいろいろありまして、今治に来るようになりました。いろいろと繋がっているなぁと感じました。
(石本)そういえばHPに「サッカーとは」という問いかけに「人と人を繋げてくれるもの」と書かれてましたね。
(渡辺)そう、まさにそうですね。だから、ここに来なければ石本さんとも出会わなかったですね(笑)
(石本)そうですねぇ。僕も今治トレセンに行かなければ、一緒に指導することもなかったかもしれませんね。今治トレセンでの渡辺さんの指導の印象は、非常に熱い情熱を持ったコーチングをされ、かつ、ちょっとしたこだわりがありますよね。トップトップを経験しているから出てくるフレーズとか、そういうところを知っているからこその逆算のイメージがあるんじゃないかなぁと感じています。
(渡辺)そうですね、一応、J1を経験してることもありますし、今治のトップチームをみててもできてないことを小、中学生年代からおさえていかなければいけないなぁとは思います。小学生では、こういうこと、中学生ではこういうことができたらいいなぁと考えながらトップまでのところをみるようにしています。

代えはいくらでもいる。だから貪欲に自分で出ていくことが必要。その思いが強い選手がトップトップにいる。
(石本)サッカーのところもそうですし、サッカー以外のところも非常に重要視しているなと感じますが、実際にトップトップと地域リーグの選手との意識の差はどうですか?何が違いますか。
(渡辺)その世界は俺が、俺がという世界ですね。自分が自分で出ていかないと、代えがいるわけですよ。毎年毎年、いろんな選手が入ってくるわけで、だから結果を残していかないと生き残れないというところはすごく強いですね。ここの選手ももっと上でやりたいとか、もっと上から声がかかるようにとか、世界に出ていくとか、そういう貪欲な気持ちがもっと必要かと思います。
(石本)そういう気持ちが強い人ほど上にいるということですね。指導者でいえば岡田さんですね。
(渡辺)そうですね。サッカーの面でもそうですし、サッカー以前のところも徹底していますし、当たり前のことを当たり前にする基準が高いです。なので、今まで言っていたことの再確認もできましたね。とにかく、負けず嫌いな人が多いですね。練習でも勝負がかかったら、勝負にこだわりますね。そういう部分では僕もまだハングリーさを持っているので、ちょっとしたことでも負けたくないという気持ちはあります。後は、できないことに対してやり続けれるか。できるまでやる、身につくまでやる、とことんやるということができるかどうかというところを意識してほしいですね。

目が輝く瞬間を逃さない。自分の目線ではなく、相手目線に立ちツボを探る
(石本)今治トレセンでもそういう熱い指導は出てますね。その指導者の想いは伝わりますね。逆に、そういう気持ちがあまり出ていない子供たちに対してどのようなアプローチをしたらいいでしょうか。
(渡辺)なんでしょうか。その子はサッカーのどこに興味があるのか。うまくなりたいことに興味があるのか、一緒にみんなとやっていることに興味があるのか、それか、ただ来てるだけとか、もう一つはサッカー以外のことに興味があって、その興味があることは何なのかというところを僕なんかは、いじりながらというか、ちょっかいだしながら、なんか探すようにしてます(笑)
(石本)なるほど。そういえばよくやってますよね(笑)
(渡辺)そうなんですよ。それで彼らのツボはどこにあるのかっていうのを探してます。だからサッカーは関係なくていいと思うんですよね。スポーツとか体を動かすことが楽しいとかテレビとかゲームとか好きだったら、「ちょっとそれ教えろよ」とか、別に知りたくもないけど(笑)、そうやって、その子の目が輝く瞬間ってあるじゃないですか。それを見つけるのがおもしろいですよね。
(石本)そうですよね。そこを共感されると、たかコーチといると楽しいなってなりますよね。なるほど、勉強になりますね。
(渡辺)そうなんですよね。僕らはサッカーで教えてますけど、サッカーにこだわらなくても、何が好きなの?って聞いて「野球」って言ったとしても、「野球かよぉ」って、「右打ち?右投げ?誰が好きなの?」って、そうやってそういう空間でいいのかなって思います。
(石本)そうやって、結果的にたかコーチが好きだからサッカーにきてる、続けてるってなればいいですよね。
(渡辺)そうやって子供たちの刺激を与えて、来てくれたらいいですよね。

楽しさと厳しさの両面を持ち、笑顔を引き出せるほっとできる存在に。
(石本)そういう子供たちとの接し方は自分で身につけていったのか、それとも誰かの影響とかあります?
(渡辺)そうですね。引退してすぐに浦和の普及コーチで入ったんですが、池田伸康さんという方がいて、その人めちゃめちゃおもしろくて、僕の人間の幅を広げてくれた人なんですね。めちゃめちゃおもしろいんですけど、人としてというところは大事にしていて、ふざけてる中でも突然、怒ったりして、訳がわからないときもあったりしますが、仲間を大事にしたりとか、子供たちの笑顔を引き出すことに対してすごく得意で、子供がいきいきしながらできる空気を作るというのがとてもうまい人ですね。
(石本)なるほど、そういう楽しい空気も作りながら、トップチームではこうだぞ!という厳しい面も持ちながらやられているからこそ、楽しさと、厳しさの両面を持ってるから伸びるんでしょうね。
(渡辺)そうですね。プロを経験したからこそ、そういう経験を活かしながら、僕にしかできないことを探しながらやってますね。子供たちにとって、ほっとできるし、だけど、メリハリはあるという指導ができたらいいですよね。
浦和の時に一番やんちゃなやつがいて、ぜんぜんいうこと聞かなかったやつがいたんですけど、それでも今治に行くって決まったときには、そいつが一番泣いてくれたんですよ。今思えば、通じ合っていたんだなと思います。嬉しかったですね。
最近は言いたくないことは言わない人も多いですけど、そこをあえて言うことで、通じ合うことも大事ですね。
(石本)そうですねぇ。そして今年はトップチームのコーチをされるということで、率直にどうですか?
(渡辺)そうですね、でも伝えてることや言ってることは、育成のところとそんなに変わらないかなという印象です。
(石本)その選手のモチベーションのツボっていうのを探しながら人間関係作って、トレーニングに励んでもらってるんですね。
(渡辺)そうですね。その中でもドキッと思わせることも言ったりとか、そこ見てたの?ってところをついてみると、痛いところつかれたなぁって顔してますね(笑)そういうことをしながら、この人から学べたらと、思わすことができたらいいかなと思ってます。

目指すところがあるから頑張れる。目の輝く子供たちを増やして今治を元気に!
(石本)ありがとうございます。最後に未来を担う子供たちとサポーターや地域の方にメッセージをお願いできますか。
(渡辺)はい、そんな偉そうなことは言えないですけど、でも、開幕して本当に多くの方にサポートしていただいて、吉武監督も言ってますが、FC今治の試合を観て、じゃあ月曜日からまた頑張ろうと思ってもらうような試合をすることと、選手にもそう思ってもらうような試合をしてもらうことですね。そして僕が一番思っているのは、僕が浦和にいて、浦和レッズがあって、そこを目指せるクラブがあって、そこを目指して頑張れたので、ここでも、FC今治があるからそこを目指そうと、ここのスタジアムでプレーがしたい、試合を観る側ではなく、試合を観られる側に立ちたいと思ってもらいたいですね。だから、僕もこっち(観る側)よりもピッチ側に立ちたいと思ってやっていたので、子供たちもそういう子が増えて(ピッチに立ちたいという想いを持ちながら観て、応援してほしい)、今治の街をさらに元気にしてもらいたいなぁと思います。
(石本)素晴らしいメッセージをありがとうございました。そして、貴重な時間をありがとうございました。


PROFILE(FC今治HPより)
役職 トップチームコーチ
生年月日 1977年5月12日
出身地 埼玉県
ニックネーム たかコーチ
出身校 埼玉県立浦和高等学校 → 筑波大学
選手歴 埼玉県立浦和高校サッカー部 → 筑波大学蹴球部 → 浦和レッドダイヤモンズ
指導歴
JFA公認A級ジェネラルライセンス
浦和レッズハートフルクラブコーチ (2003-07)
浦和レッズレディースJr.ユースコーチ (2007-09)
浦和レッズJr.ユースコーチ (2009-11)
浦和レッズユースコーチ (2011-13)
浦和レッズJr.ユースコーチ (2013-15)
FC今治U-15コーチ(2015-2017)

熱く、おもしろく、そして厳しさも知っている渡辺さんに貴重な時間をいただき経験や体験を聞くことができました。今後の更なるご活躍に期待します!ありがとうございました。

さて、次回は織田さんへ
入社して1年が経とうとしています。来年度の意気込みをお願いします。